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殺人罪で実刑判決、元農水次官を異例の保釈…無表情で拘置所を後に - 読売新聞

 東京都練馬区の自宅で6月、ひきこもり状態の長男(当時44歳)を刺殺したとして殺人罪に問われ、東京地裁の裁判員裁判で懲役6年の判決を言い渡された元農林水産次官・熊沢英昭被告(76)について、東京高裁(青柳勤裁判長)は20日、保釈を認める決定をした。

 熊沢被告は500万円の保釈保証金を納付し、同日夜、東京・小菅の東京拘置所から保釈された。殺人罪で実刑判決を受けた被告が保釈されたのは異例。

 熊沢被告の弁護人は地裁判決翌日の17日、保釈を申請。同地裁は却下したが、弁護人の抗告を受けた同高裁が一転して保釈を認めた。熊沢被告の控訴期限は来年1月6日で、20日時点で検察側、弁護側双方とも控訴していない。

 黒っぽいスーツ姿の熊沢被告は20日午後6時55分頃、同拘置所の出入り口に姿を現した。すぐに迎えのタクシーの後部座席に乗り込み、無表情で拘置所を後にした。

 刑事訴訟法は、殺人などの重大な罪に問われた被告でも、勾留の継続で生じる健康上や社会生活上の不利益などを考慮し、裁判所は保釈を許可できると規定。高裁は証拠隠滅や逃亡の恐れが低く、熊沢被告が高齢であることなどを踏まえ、保釈を認めたとみられる。

 殺人罪で実刑を言い渡された被告の保釈を巡っては、妻を殺害した事件で懲役11年の判決を受けた出版大手「講談社」元編集次長・パク鐘顕チョンヒョン被告(44)(控訴中)について、同地裁が今年3月に保釈を認めたものの、同高裁が取り消した。

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2019-12-20 12:49:40Z
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