1日午前、福島県郡山市で移植手術のための臓器を運んでいた警察のヘリコプターが不時着し横転した事故で、操縦していた警察官が「風にあおられて機体が不安定になった」と話していることが分かりました。この事故ではヘリコプターに乗っていた7人が重軽傷を負い、東京で予定されていた心臓の移植手術は中止されました。
1日午前8時すぎ、郡山市三穂田町で、福島県警察本部の航空隊のヘリコプター「あづま」が不時着し、横転しました。
この事故でヘリコプターに乗っていた7人のうち、県警察本部地域企画課の59歳の課長や医師など4人が胸や腕の骨を折る大けがをしました。
ほかの警察官と警察職員の3人は軽いけがだということです。
現場周辺にはヘリコプターのブレードと呼ばれる羽根などが散乱しましたが、付近の住宅や住民に被害はないということです。
警察によりますと、飛行前に行った機体の点検で異常はなく、ヘリコプターを操縦していた38歳の警部は「風にあおられて機体が不安定になった。何とか住宅がないところまで持ち直した」と話しているということです。
国の運輸安全委員会は航空事故調査官2人を現地に派遣し、事故の原因を詳しく調べることにしています。
日本臓器移植ネットワークによりますと、このヘリコプターは脳死と判定された50代の男性から提供された心臓を運んでいたということで、事故のあと、東京大学附属病院に届けられましたが、病院などは心臓の機能を保証できないとして手術は中止しました。
臓器の搬送中の事故で移植手術が中止になるのは初めてだということです。
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2020-02-01 09:21:00Z
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