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急速に進化する産業向けVR/ARの最前線 VR/ARの制作・稼働環境に必要な3つの条件とは - 日経テクノロジーオンライン

 これらのソリューションを垣間見るだけで、産業向けVR/ARが急速に進化しているのがわかるはずだ。それでは、なぜプレミアムアーツは、短期間でこれだけのソリューションを実現できたのか。同社の豊富なノウハウがあることはもちろんだが、もう1つ重要なポイントがある。それは根幹となるテクノロジーに、多彩な企業が提供する製品を積極的に取り入れている点だ。
株式会社プレミアムアーツ 代表取締役 山路 和紀氏
 「産業向けVR/ARは1つの技術基盤だけで実現できるものではなく、多様なテクノロジーを最適な形で組み合わせる必要があります。これを自社のコンテンツと融合し、サービス化していることが、当社の強みです。そのためには英語や中国語を含む多言語の情報を読み解き、その本質を素早く理解する能力が必要です。このような人材をそろえてきたからこそ、産業向けVR/ARに必要な各種テクノロジーにも、短期間でキャッチアップできたと思います」と山路氏は話す。

 その1つとして挙げられるのが、前述のMATLABだ。しかし活用されている基盤技術はソフトウエアだけではない。VR/ARソリューションを制作・稼働させるハードウエアも重要なカギを握っているという。コンテンツを動かすには、言うまでもなく高性能なプロセッサーやハイエンドのグラフィックス機能が不可欠となるからだ。

 こうした観点から、同社が創業以来活用し続けているのが、Dell Technologiesが提供する「Dell Precision ワークステーション シリーズ」だ。同社が使用するワークステーションは100%デル製品で統一されており、ソリューションに組み込んだ形で顧客に提供することもあるという。同社がDell Precision ワークステーション シリーズを採用した理由は主に3つあるという。

 「まず1つ目は性能面です。VR/ARでは膨大な3Dデータを扱うため、最新のグラフィックボードで処理性能を確保する必要があります。特に産業向けVR/ARではセキュリティ確保の観点から、工場内で使いたいというニーズも高いため、クラウドで処理できない案件も少なくありません。その点、Dell Technologies製品であれば常に最新のグラフィックボードを実装でき、お客様の性能要件に応えることが可能です」(山路氏)

 2つ目は拡張性だ。これに関しては、筐体スペースと拡張スロットに、十分な余裕があることを評価。そのためグラフィックボードを2枚搭載して性能を出すというアプローチも可能だという。「ハイエンドのグラフィックボードを搭載して性能を高めるという方法もありますが、これでは性能に対して価格が上昇しやすくなります。ミッドレンジのグラフィックボードを複数使うほうが、コストパフォーマンスが高いケースが多いのです。またグラフィックボードの進化のほうが早いため、まずは1枚だけグラフィックボードを新しくするといった柔軟な対応もとれます」と山路氏は説明する。

 そして3つ目が信頼性・安定性である。「産業用途では、納期が厳格であることが多く、故障やトラブルによって作業が遅れると、ビジネスへの影響度が大きい。その点、Dell Precision ワークステーションは故障することがほとんどありません。これは、電源とスペースに十分な余裕があり、排熱にも配慮した設計になっているからだと考えています。また、非常に堅牢で、多少の衝撃では壊れません。当社は放送局向けサービスも手掛けており、番組収録の度に車でスタジオにDell Precision ワークステーションを持ち込んでいますが、これまでの運用でトラブルが発生したことは皆無です」と山路氏は言う。

 また、サポート体制の充実も安定的に業務を行う上で重要だという。「万が一の際はオンサイトでの保守サービスを提供してくれるため、現場社員も安心して業務が行えると話しています」(山路氏)。

 これらの特徴に加え、パフォーマンスを自動的に最適化するDell Precision Optimizerの存在も評価されている。有償版のPremiumではAIベースのパフォーマンス最適化に対応。あらゆるアプリケーションに対し、最適なパフォーマンスチューニングを自動的に実行する。複数のアプリケーションが利用される環境でもそのパターンを機械学習し、性能向上の可能性を広げている。

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March 29, 2020 at 10:53PM
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