セルフ式のガソリンスタンドで給油するときに、満タン近くになると自動で給油を停止するオートストップ機能。燃料の入れすぎを防止するための安全装置としてとても大事な機能ですが、場合によっては満タン前に作動してしまいスムーズに給油ができないことがあります。どのような仕組みで停止するのでしょうか。
入れすぎ防止のためのオートストップ機能、時には邪魔になることも
セルフ式のガソリンスタンドで給油するときに、満タン近くになると自動で給油を停止するオートストップ機能があります。
燃料の入れすぎを防止するための安全装置としてとても大事な機能ですが、ときにはまだ満タンになる前に作動してしまい給油ができないことがあります。自動でストップ機能はどのような仕組みになっているのでしょうか。
セルフ式のスタンドは1998年の消防法改正による規制緩和により、毎年その数が増加傾向にあるといいます。
日本エネルギー経済研究所石油情報センターによると、2019年3月末時点では全国の全ガソリンスタンド3万70店のうち、セルフスタンドは1万100店と約3割を占めています。
手軽にセルフ式のスタンドで給油する際に役立つのが、満タンになると自動で給油を停止するオートストップ機能です。
給油ノズルの先端には、燃料が出てくる穴のほかに、満タンを感知するための小さな穴が開いています。この穴は空気を取り込むための穴となり、満タンになってこの穴がふさがり空気を取り込めなくなると、センサーが働いて自動で給油が停止する仕組みとなっています。
しかし、本来は満タン時に作動して入れすぎを防ぐために給油を停止する機能ですが、まだ満タンには程遠い状態にもかかわらず、給油が停止することがありますが、その原因はなんなのでしょうか。
首都圏のガソリンスタンドのスタッフはこの原因と対処法について次のように話します。
「原因としてはクルマの給油口付近や燃料タンクまでの配管の配置、差し込んだ給油ノズルの角度や位置が関係しています。
給油時に燃料がスムーズに流れなかったり、流れこむ勢いなどで跳ね返ってきた燃料や燃料の泡などが、給油ノズルの先端の満タンを感知するための穴を塞いでしまうことで、オートストップ機能が作動してしまうのだと思います。
対処方法としては、まずはしっかり給油ノズルが奥まで入っているか確認し、トリガーもしっかり握ることで、あとは給油ノズルの角度を調整してみることくらいです。
間違っても、オートストップ機能の作動を避ける為に給油ノズルを奥まで入れないとか、トリガーをしっかり握らないというのは、本来作動すべき満タン時に作動しない原因になるので絶対にやめましょう。
それでもうまくいかないときは、ガソリンスタンドのスタッフに声をかけて、対処してもらうようにしてください」
給油時の注意点について、ガソリンスタンドのスタッフは以下のように話します。
「もし燃料が溢れてしまった場合、クルマによっては塗装を溶かしてしまったり、劣化を早めてしまう可能性もあります。
万が一、給油口目一杯まで給油すると、気化したガソリンが外に飛び出しやすくなり、静電気が引き金となって引火する可能性も高くなるので大変危険です。
最近のクルマであれば、ストップした時点でほぼタンクは一杯になり、それ以上給油しても1リッター程度しか入らいないと思います。
さらにはレンタカーでも『給油は自動でストップするまで』とお願いしているところもあるようですので、基本的には自動で停止した後に手動での給油はやめたほうが良いです」
※ ※ ※
また、満タン時前にオートストップ機能が作動し、何度か給油を繰り返す場合には、燃料が溢れないように注意が必要です。
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August 23, 2020 at 07:36AM
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