右折車の女、起訴内容認める大津の保育園児ら死傷（写真＝共同） - 日本経済新聞

大津市の交差点で右折車と直進車が衝突し保育園児ら16人が死傷した事故で、右折の乗用車を運転し、自動車運転処罰法違反（過失致死傷）の罪に問われた無職、新立文子被告（52）=同市=は17日、大津地裁（大西直樹裁判長）で開かれた初公判で「間違いない」と起訴内容を認めた。

保育園児らの列に車が突っ込んだ事故現場（5月8日、大津市）=共同

検察側の冒頭陳述によると、被告は事故当時、知人から借りた乗用車を運転していた。買い物から帰宅途中、交差点の右折レーンに入り、歩道で園児らが集団で信号待ちをしていることを確認。「別の場所で見た園児らと同じ保育園か」「別の方向に散歩に行くのか」などと考え事をして注意力が散漫になり、対向車の有無に留意しないまま右折を始めた。

衝突した直進車はとっさにハンドルを左に切ることしかできず、ブレーキを踏まないまま歩道への暴走を余儀なくされたとしている。

初公判は、亡くなった園児の遺族らも被害者参加制度を利用し、傍聴した。

起訴状などによると、5月8日午前10時15分ごろ、交差点で注意を怠ったまま時速約10キロで右折し、対向車線を直進してきた軽乗用車に衝突。弾みで軽乗用車が歩道で信号待ちをしていた園児らの列に突っ込み、園児2人を死亡させ、園児と保育士計14人に重軽傷を負わせたとしている。

事故に巻き込まれたのは近くの「レイモンド淡海保育園」の園児と保育士で、琵琶湖畔に向かって散歩中だった。亡くなったのは、いずれも大津市の伊藤雅宮ちゃん（2）と原田優衣ちゃん（2）。

直進した軽乗用車の女性（62）も同法違反の疑いで書類送検されたが、法定速度以下で青信号を進み、前方不注視もなかったとして不起訴処分とされた。〔共同〕

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