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「ママ、お茶」に応じる母親は、よい母親? “悪妻”は子どもにとっての良母(オトナンサー) - Yahoo!ニュース

 私はかつて、幼児と小学生に20年間、学習塾で指導をしていました。その中に、こんな子どもたちがいました。

「先生、鉛筆!」という子どもにしないため

 例えば、小学生のケース。「先生、鉛筆!」と私に向かって叫ぶ生徒がいました。 「先生、鉛筆が落ちています」なのか、「先生、鉛筆を忘れました」なのか。私は子どもの顔を見て、何を言わんとしているかは分かりましたが、「これに自動的に反応していては語彙(ごい)が増えない」と思い、次のように答えていました。 「先生は“鉛筆”ではありませんよ」  すると、生徒は「先生、鉛筆を忘れました」。私が「ああ、そうですか。鉛筆を忘れたんですね。だからどうしたいのですか?」と言うと、子どもはハッと気付いて「先生、鉛筆を忘れてしまったので貸してください」と言い直しました。  一方、幼児のケース。「先生、おしっこ」と言う年長児がいました。  私は「え、立石先生はおしっこではないですよ」と、ちょっと意地悪な対応をしていました。すると、自分で気が付いて「先生、トイレに行きたい」と言い直していました。  2~3歳児であればそれでもよいのですが、もうすぐ小学生になろうとする5歳児がこれでは、学校に行ったときに困ります。これらの子どもたちは「ママ、お茶」「ママ、おやつ」と言えば、自動的に反応してくれる家庭で育っているのかもしれませんね。  夫が「飯!」「おい、お茶」「ビール」と言うと、サッサと動く妻。あるいは、顔色を見ただけで反応してくれる妻――。夫にとっては気が利く、察しのよい素晴らしい奥さんかもしれませんが、子どもに対して同じような反応をしてしまうと、学校でもお父さんのまねをして「先生、鉛筆!」「先生、消しゴム!」状態になってしまうかもしれません。

「忘れ物の効用」とは?

 学習塾で子どもたちを教えていた頃、忘れ物をしたことを注意すると「だって、お母さんが入れてくれなかったんだもん」と言い訳する子がいました。私は「お母さんが勉強するわけではないので、明日から、自分の勉強道具は自分で準備しようね」と伝えていました。  筆箱を学校に持っていくのを子どもが忘れたとき、母親が届けてしまうと、子どもは「忘れ物をしても、ママが届けてくれるから大丈夫だ」と思い込んでしまったり、忘れ物をしないように準備する習慣が身に付かなかったりします。このような、子どもの頭上を旋回するヘリコプターのような親のことを「ヘリコプターペアレンツ」といいます。  親が届けることをしなかった場合、「面倒くさいから」なのか、「子どもの自立のために」なのか、その意図は別として、子どもにとっては次のような“忘れ物の効用”が考えられます。 ・翌日から忘れ物に気を付けるようになる ・ピンチに陥ったとき、SOSを出せるようになる ・代用品を何とか自分で考えるようになる ・「私のを貸してあげる」と親切にされ、「友達を大切にしよう」と思う。その体験から「自分も誰かを助けてあげよう」と思う 「子どもの顔色を見ただけで、何をしてほしいのか分かるママ」のような人が、いつもそばにいるとは限りません。1クラス40人近くいる集団の中では、自分で声を上げていく必要があります。  また、相手に伝わる話し方をさせていれば、子どもの語彙は自然と増えます。困ったときにSOSを出す練習にもなります。家庭内でも、たとえ、子どもの要求が分かっても「喉が渇いたのでお水ちょうだい」「トイレに行きたい」と、できるだけ具体的に言わせるようにしましょう。  私の亡き父は昭和1桁生まれでした。昔は“男子厨房(ちゅうぼう)に入らず”で「男は炊事に手を出したり、口を挟んだりすべきではない。あれは女の仕事だ」と考えていたようです。 「飯、風呂」と叫ぶ父。でも、母がいなければお茶も1人で入れられない、靴下の在りかも分からない父でした。「母が先に逝ってしまったら、一体どうなるんだろう」と案じていました(父が先に亡くなりましたが…)。  夫婦だって、どちらが先に逝ってしまうか分からないのですから、もしかしたら、「気が利く良妻は、実は、夫や子どもの自立には悪妻」なのかもしれませんね。奥さんが「気が利かない」「ズボラなタイプ」だという旦那さん、子どもにとってはむしろ、いいお母さんかもしれませんよ。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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June 13, 2020 at 03:03PM
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