中国湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウイルスへの感染による中国国内の死者は361人となった。春節(旧正月)の連休明け最初の取引となった3日の中国市場では、株価やコモディティー(商品)相場などが大幅安となっている。
1月23日以来の取引となった中国の株式市場と商品市場では、取引開始から大きく売り込まれる展開となった。1月23日の時点では死者数は武漢市の17人にとどまっていた。
中国国家衛生健康委員会によると、2日時点で死者数は前日から57人増え、361人となった。新たに感染が確認された人は2829人で、感染者数は1万7205人に達した。
中国国内の死者は、2002─03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を上回った。
中国株式市場の上海総合株価指数は8%急落し、1年ぶり安値を付けた。ロイターの試算によると、約3700億ドルの時価総額が吹き飛んだ。
人民元は年初来安値で国内市場の取引を開始。上海の鉄鉱石、銅価格は値幅制限いっぱいの下げとなっている。
中国人民銀行(中央銀行)は2日の声明で、新型肺炎の感染拡大による株式市場などへの悪影響に備え、春節休暇明けの3日に公開市場操作を通じて1兆2000億元(1738億ドル)を金融市場に供給すると発表した。
市場筋によると、人民銀は3日、期間7日と14日のリバースレポを実施し、総額1兆2000億元を供給した。
また、中国政府は2日、生活必需品を製造する企業が春節休暇明けに早期に操業を再開できるよう支援する方針を示した。国営放送CCTVが李克強首相主宰の会議での発言として伝えた。
ただ、中国の多くの省はウイルスの感染拡大を防ぐため春節休暇を延長しており、湖北省では労働者が職場に戻るのは2月13日以降となる見通しだ。
武漢などは引き続き事実上の封鎖状態にあり、中国と海外との間の航空便運航も制限されている。
中国国外では、日本のほか米国、タイ、香港、英国など20以上の国と地域で少なくとも171人の感染が新たに確認された。
フランスでは2日、武漢からチャーター便で退避した30カ国の出身者250人以上が到着した。
オーストラリアは3日、子どもを含む243人を武漢から退避させた。退避者は今後、北西沖にある離島で隔離される。
オーストラリアは1日、米国に続いて、中国本土から到着するすべての外国人の入国を拒否する措置を発表した。
ドイツのシュパーン保健相は2日、主要7カ国(G7)が新型コロナウイルスの感染拡大に対処するため、政策協調の手法を模索していると明らかにした。
[北京 3日 ロイター]
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2020-02-03 05:00:00Z
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