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そのチャットでは、本音が交わされていますか? 「非対面コミュニケーション」の時代に人事が取り組むべきこととは【#コロナとどう暮らす】(日本の人事部) - Yahoo!ニュース

2020年4月以降、多くのビジネスパーソンがオフィスを離れ、対面での会話ができなくなったことで、オンラインでのチャットのやり取りなど「テキストによるコミュニケーション」の重要性が一気に高まりました。会って話せば難なく伝わることでも、テキストだけでは齟齬(そご)が生じたり、思わぬ感情のすれ違いが生まれたりすることもあります。 非対面のコニュニケーションにつまずいているビジネスパーソンや、新たなルールの中で社内コミュニケーションを改善したいと考える人事担当者は今、どんなことに取り組むべきなのでしょうか。国立国語研究所の教授を務め、日本語研究の第一人者として多数の著書を出版している石黒圭さんにお話をうかがいました。

リモートワーク以前から高まる「ビジネス・ジャパニーズ」の重要性

――新型コロナウイルス感染予防のため、多くの企業がリモートワークを導入しましたが、一方でチャットやメールを中心としたコミュニケーションに不安を覚える人も増えています。石黒さんはこの現状をどのようにご覧になっていますか。 私たちはこれまで、オフィスでの対面のコミュニケーションを当たり前のものとしてとらえ、それに頼り切っていました。しかしリモートワークになるとテキストを中心としたやり取りが増え、「慣れていないこと」に慣れていかなければなりません。人間は慣れるまでに時間がかかる生き物です。今はまだ、そのための新しい文体ができあがっていない状況だと言えるでしょう。 社会的な混乱がある中で、この状況にすぐに適応できる人もいれば、そうでない人もいます。異文化とも言えるオンライン環境に、リテラシーの異なるさまざまな人が飛び込んできているので、互いに配慮しながらコミュニケーションを重ねていかなければなりません。しばらくは混乱が続きますが、だんだんと新しいコミュニケーションに慣れ、やがては当たり前になっていくのではないでしょうか。 とはいえ私自身も、オンライン会議やチャットでのやり取りが中心になり、想定していなかった事態に見舞われました。私は研究者であると同時に管理職で、日々の実務に責任を負う立場でもあります。緊急事態宣言を受けて勤務のあり方を見直し、所内の新しい方針をテキストでのやり取りを通じて伝えてきました。また、部下それぞれとコミュニケーションをとる中で、日々の業務報告などに丁寧に応えることが相手のモチベーションアップにつながると実感しています。 ――テキストを中心とした新しいコミュニケーションの中で、私たちはどのようなことに気を配るべきなのでしょうか。 まず私は、社会人として「ビジネス・ジャパニーズ」の力を磨くべきだと考えています。ビジネス・ジャパニーズとは日本語の一つのジャンル。文章でいえば「ビジネス文書」のことを指します。アカデミック・ジャパニーズ(学術文書)、公用文(官公庁)、報道文(新聞)などと並ぶジャンルです。 子どもたちが文章力を学ぶ過程について説明するとわかりやすいかもしれませんね。小学生が取り組む作文は物語文です。日常的な体験や夏休みの思い出、あるいは運動会や遠足などのイベントについて、自分を中心として出来事や感じたことをつづります。中学生・高校生と進んでいくにつれて、人間が登場しない文章、つまり物事を論理的に説明するための説明文を書くようになっていきます。 高校を卒業すると、これまで学んだ説明文の延長に、さらに二つの実用文を身に着けることになります。一つは、大学で学ぶアカデミック・ジャパニーズ。学術的な論文・レポートを書くための論理的で正確な日本語です。そしてもう一つが、ビジネス・ジャパニーズ。社会人の日本語であり、お金が取れる商業的な日本語です。ビジネス・ジャパニーズは論理であることに加えて、相手へ端的に要件を伝えるためのスピード感が求められます。 私はここ数年、クラウドソーシングのサイトに掲載される文章を研究しています。クラウドソーシングでは、仕事を発注する側が報酬や業務内容、求められる専門性などの条件を提示してマッチング先を探しますよね。さまざまな募集案件を見ていると、同じような条件でも、多くの応募があるものと、全く応募がないものがあります。こうした募集案件の成否を決めるのは、わかりやすい日本語かどうかであるケースが少なくありません。 これはあくまで一例ですが、アウトソーシングが進んで仕事がどんどん外部化されている現在では、発注先を探す際にもテキストだけでやり取りすることが増えています。私たちの仕事ではそもそも、リモートワーク以前にビジネス・ジャパニーズの重要性が高まり続けているのです。 ――現在のコミュニケーションの悩みは「媒体の問題」が発生しているだけ ビジネス・ジャパニーズは、やり取りの目的で分けて考えることができます。 伝達:通知、報告、広報、案内、説明、あいさつなど 記録:議事録、会議メモ、資料、レジュメ、契約書など 働きかけ:提案、勧誘、注文、依頼、督促、照会、抗議など 反応:回答、承諾、断り、留保、謝罪、弁解、感謝など このうち、伝達と記録は「業務上のやり取り」、働きかけと反応は「人間関係の駆け引き」だと分類できます。ビジネス・ジャパニーズは、この二つをめぐる目的達成型コミュニケーションの手段です。 目的達成型コミュニケーションにおいて、重要になるのは「相手」の存在です。社内のよく知っている人同士のコミュニケーションと、社外のパートナーや顧客とのコミュニケーションは当然のことながら異なります。私たちは日頃、目的や相手に応じて自然とビジネス・ジャパニーズを使い分けています。 最近問題になっているのは、そのコミュニケーションのための手段の部分でしょう。対面であれば空間を共有して肉声でコミュニケーションできますが、新型コロナウイルスの影響下ではそれができず、擬似空間での音声や映像を通じたコミュニケーション、さらにチャットやメールなどのテキスト主体のコミュニケーションといった媒体に手段が偏ってしまいました。齟齬(そご)が生じたり、思わぬ感情のすれ違いを生んでしまったりといったコミュニケーションの難しさは、媒体の違いに起因するものでしょう。 ――今は「媒体の問題が発生しているだけ」ということでしょうか。 そうですね。相手との関係が変わればコミュニケーションスタイルが変わり、そこで使われる日本語も変わります。これは媒体が変わるときも同様で、新しいジャンルが生まれれば、新しいビジネス・ジャパニーズが生まれます。 時代が変わってもコミュニケーションの本質は変わりませんが、相手や目的、媒体によっては日本語の使い方が変わる面もあるということです。今は媒体によって変わっているだけ。そう意識するだけでも、コミュニケーションの悩みを解決することにつながるかもしれません。

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July 17, 2020 at 05:37AM
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